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すぐに活かせる教育のヒント

子どもの成長を阻む「モンスターペアレンツ」になっていませんか?

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小学校の教師をやっていたというとよく聞かれるのが
モンスターペアレンツって最近多いんでしょ?!」
ということ。
はい、おりました。
子どもを愛するが故に、過保護になり学校に様々なことを押し付けてくる保護者の方々。
でも、私はこのような保護者が悪い人達だとは全く思っていません。
ただ学校や地域を取り込んだ子どもの成長のさせ方がよく分かっていないだけなのです。
核家族が増えて地域のつながりも薄くなると
子育てのことをなかなか相談できなくなるし
分からないのも致し方ないのかもしれません。
しかしながら、いわゆるモンスターペアレンツは子どもへ大きな悪影響を与えてしまいます。

モンペは子どもの「ソーシャルスキル」を低下させる

学校では、子ども同士のけんかは頻繁に起こります。
ほぼ毎日多かれ少なかれ起こっています。
時には手が出てしまうことも否めません。
そんな時、「自分の子どもが被害にあった」と
目の色を変えて学校に向かってくる保護者がいます。
命に関わることや、一生残る傷などの大きなことならともかく
ちょっとした擦り傷でも学校に苦情がくることがあります。
極端なことを言えば、けんかは本来子ども同士で解決すべき問題です。
そこに親が堂々と前に出て介入してしまえば、子どもが人間関係の問題を解決する力を身に付けることができません。
子どもの友達との関係に必要以上に介入していませんか。
ちなみに、子どもにソーシャルスキルを身につけさせるために一番効果的なのは
親が親自身の友達と良い関係を築いているのを見せることです。

モンペは子どもの「がんばる力」を削ぐ

以前、こんなお母さんがいました。
「今度の運動会で応援団をうちの子がやりたがっていたのだけど、
選ばれなかったらしい。もう一度選びなおしてほしい。」
希望者がたくさんいたため、所信表明をしてもらい選出しました。
それがそのお母さんにとって納得できなかったようです。
子どもにはそれぞれ得意なことと不得意なことがあります。
時には努力をしなければならないこともあるし、
不得意なことにとらわれずに得意なことに力を注ぐべき時もあるでしょう。
しかし、このお母さんのように口出ししてしまっては
子どもが自分自身を客観的に捉えることができず、
努力することも止めてしまうでしょう。

モンペは学校での「教育効果」をつぶす

モンスターペアレンツは、学校を100%信頼していません。
先生のことも100%信頼していません。
直接子どもの前でそう言わなくても、そのような親の考えは
小さなことから子どもには伝わるものです。
すると、子どもも学校や先生を信頼できなくなります。
そこで何が起こるかというと、大げさに言ってしまえば、
学校での教育が子どもに一切伝わらなくなります。
授業も生活指導も教師からの指導が子どもに届きません。
これは、とても恐ろしいことです。
一日の多くの時間を子どもは学校で過ごす訳ですから、
そこでの教育的効果が得られないのだとしたら
本当に勿体ないことです。

まとめ

モンスターペアレンツと言われる人たちは、
意外と自分がモンスター化していることに気付いていないものです。
しかし、それにも関わらず子どもに与える影響は甚大です。
自分が知らず知らずのうちにモンスターペアレンツ化していないか
思い返してみてください。